安全管理の問題は、条文の数値がそのまま正誤の分かれ目になります。 ここに載せた数値は、すべて2026年1月1日時点の労働安全衛生規則(安衛則)、労働安全衛生法施行令(施行令)、クレーン等安全規則(クレーン則)の条文で確かめたものです。 「以上」「以下」「未満」「超える」まで含めて覚えるのがコツです。

高所作業の基本

項目 数値・内容 根拠
作業床を設ける高さ 高さ 2m以上の箇所で墜落のおそれがあるとき。困難なときは防網を張り、墜落制止用器具を使用させる 安衛則518条
作業床の端・開口部 高さ 2m以上なら囲い・手すり・覆いなど 519条
悪天候時の作業禁止 高さ 2m以上の箇所で、強風・大雨・大雪などで危険が予想されるとき 522条
昇降設備 高さまたは深さが 1.5mを超える箇所で作業するとき 526条
移動はしごの幅 30cm以上、すべり止めなどで転位を防ぐ 527条
脚立の角度 脚と水平面との角度を 75度以下 528条
高所からの物体投下 3m以上の高所から投下するときは、投下設備を設け、監視人を置くなど 536条

「2m は作業床と手すり、1.5m は昇降設備、3m は投下設備」と、基準の高さが3つあります。

足場

作業床(安衛則563条)

足場(一側足場を除く)の高さ2m以上の作業場所に設ける作業床の基準です。

項目 数値
作業床の幅 40cm以上
床材間の隙間 3cm以下
床材と建地との隙間 12cm未満
床材の取付け 転位・脱落しないよう 2以上の支持物に取り付ける(つり足場を除く)
物体の落下防止 高さ 10cm以上の幅木、メッシュシート、防網など

墜落防止設備

足場・通路 設けるもの
わく組足場(妻面を除く) 交さ筋かい+高さ 15cm以上40cm以下の桟、または高さ 15cm以上の幅木、または手すりわく
わく組足場以外の足場 手すり等+中桟等
架設通路(552条) 高さ 85cm以上の手すり等+高さ 35cm以上50cm以下の中桟等

架設通路(552条)

項目 数値
勾配 30度以下(階段を設けたもの、高さ2m未満で丈夫な手掛を設けたものを除く)
滑止め 勾配が 15度を超えるものに踏桟などを設ける
登り桟橋の踊場 建設工事で高さ 8m以上の登り桟橋には 7m以内ごと

単管足場とわく組足場(570条・571条)

項目 単管足場 わく組足場
建地の間隔 けた行方向 1.85m以下、はり間方向 1.5m以下 —
地上第一の布 2m以下の位置 —
建地の2本組 建地の最高部から測って 31mを超える部分 —
建地間の積載荷重 400kgが限度 —
水平材 — 最上層および 5層以内ごと
壁つなぎの間隔 垂直方向 5m以下、水平方向 5.5m以下 垂直方向 9m以下、水平方向 8m以下(高さ5m未満のものを除く)

脚部には、滑動・沈下を防ぐためベース金具を用い、敷板・敷角を使い、根がらみを設けます(570条)。 また、幅が 1m以上の箇所で足場を使うときは、原則として本足場を使います(561条の2)。

組立て・点検・作業主任者

項目 内容 根拠
足場の組立て等作業主任者 つり足場・張出し足場・高さ 5m以上の足場の組立て・解体・変更 施行令6条15号・安衛則565条
組立て等の作業の措置 つり足場・張出し足場・高さ 2m以上の足場の組立て・解体・変更で、時期・範囲・順序の周知、立入禁止、悪天候時の中止、幅 40cm以上の作業床、墜落制止用器具の使用 564条
作業開始前の点検 点検者を指名して、その日の作業開始前に、手すりなどの足場用墜落防止設備の取り外し・脱落の有無を点検 567条1項
悪天候・地震・組立て後の点検 強風・大雨・大雪、中震以上の地震、組立て・一部解体・変更の後に、点検者を指名して作業開始前に点検 567条2項
点検の記録 足場を使用する作業を行う仕事が終了するまで保存 567条3項
最大積載荷重 作業床の最大積載荷重を定め、労働者に周知 562条

「作業主任者は5m、組立て作業の措置は2m」と、2つの高さが別の条文にある点がひっかけになります。

移動式クレーン

運転と玉掛けの資格

業務 つり上げ荷重 必要な資格 根拠
移動式クレーンの運転 5t以上 移動式クレーン運転士免許 施行令20条7号・クレーン則68条
〃 1t以上5t未満(小型移動式クレーン) 小型移動式クレーン運転技能講習(免許でも可) クレーン則68条
〃 1t未満 特別教育 クレーン則67条
玉掛け 1t以上 玉掛け技能講習など 施行令20条16号・クレーン則221条
〃 1t未満 特別教育 クレーン則222条

なお、つり上げ荷重 0.5t未満のものにはクレーン則は適用されません(クレーン則2条)。

作業の規制

項目 内容 根拠
作業方法の決定 あらかじめ、作業の方法、転倒を防止する方法、労働者の配置と指揮の系統を定め、作業開始前に周知 66条の2
外れ止め装置 荷をつり上げるときは使用する 66条の3
過負荷の制限 定格荷重を超える荷重をかけない 69条
軟弱地盤 転倒のおそれのある場所では作業しない。必要な広さと強度の鉄板等を敷いた上に設置すれば可 70条の3
アウトリガー 最大限に張り出す(荷重が張り出し幅に応じた定格荷重を確実に下回るときを除く) 70条の5
運転の合図 一定の合図を定め、合図を行う者を指名する(運転者が単独で作業するときを除く) 71条
搭乗の制限 労働者を運搬したり、つり上げて作業させたりしない 72条
立入禁止 上部旋回体と接触するおそれのある箇所、ハッカーやつりクランプ1個でつった荷などの下への立入りを禁止 74条・74条の2
強風時 危険が予想されるときは作業を中止 74条の3
運転位置からの離脱 荷をつったまま運転位置を離れない 75条

検査と点検

項目 周期・内容 根拠
移動式クレーン検査証の有効期間 2年 60条
定期自主検査(年次) 1年以内ごとに1回(荷重試験を含む) 76条
定期自主検査(月次) 1月以内ごとに1回(安全装置・ワイヤロープ・つり具など) 77条
作業開始前の点検 巻過防止装置、過負荷警報装置その他の警報装置、ブレーキ、クラッチ、コントローラーの機能 78条
自主検査の記録 3年間保存 79条

玉掛け用具

項目 基準 根拠
ワイヤロープの安全係数 6以上 213条
使用禁止のワイヤロープ 1よりの間で素線の 10%以上が切断、直径の減少が公称径の 7%を超える、キンク、著しい形くずれ・腐食 215条
作業開始前の点検 その日の作業開始前に、ワイヤロープ等の異常の有無 220条

覚え方のコツ

  • 高さは「2m(作業床・手すり・悪天候)、1.5m(昇降設備)、3m(投下設備)、5m(足場の作業主任者)」
  • 作業床は「40・3・12・10」(幅40cm、隙間3cm以下、建地との隙間12cm未満、幅木10cm)
  • 手すりは「85・35〜50」、わく組足場の桟は「15〜40」
  • 単管足場は「1.85・1.5・2・31・400」、壁つなぎは「単管5×5.5、わく組9×8」
  • クレーンの資格は「5t免許、1t技能講習、1t未満特別教育」。玉掛けは「1tで分かれる」
  • 検査は「検査証2年、年次1年、月次1月、記録3年」、ワイヤロープは「安全係数6、素線10%、径7%」

数値は、条文の表現どおり「以上・以下・未満」を含めて覚えるのが確実です。 表を一度白紙に書き写してから問題演習に進むと、定着が早くなります。