法規の問題は、改正で数字や区分が変わった論点ほど狙われます。 第一次検定の法令の基準日は2026年1月1日です。この記事の内容は、すべてその日に有効な建築基準法・建設業法と、それぞれの施行令の条文で確かめたものです。
建築基準法の確認申請
2025年4月の改正で区分が変わった
2025年4月1日に施行された改正で、確認申請の対象となる建築物の区分(建築基準法6条1項各号)が組み替えられました。 以前は「木造」と「木造以外」で基準が分かれていましたが、改正後は構造による区別がなくなりました。
| 号 | 対象(2026年1月1日時点) | 確認が必要な行為 |
|---|---|---|
| 1号 | 特殊建築物(別表第一(い)欄の用途)で、その用途の床面積の合計が 200m²を超えるもの | 建築・大規模の修繕・大規模の模様替(全国どこでも) |
| 2号 | 1号以外で、階数が2以上、または延べ面積が200m²を超える建築物 | 建築・大規模の修繕・大規模の模様替(全国どこでも) |
| 3号 | 1号・2号以外で、都市計画区域・準都市計画区域などの区域内の建築物 | 建築のみ |
改正前の区分との対応は次のとおりです。
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 1号(特殊建築物200m²超) | 1号(変更なし) |
| 2号(木造で3階以上、延べ面積500m²超、高さ13m超、軒の高さ9m超) | 2号に統合 |
| 3号(木造以外で2階以上、延べ面積200m²超) | 2号に統合 |
| 4号(上記以外。都市計画区域内など) | 2号に当たらない平屋かつ200m²以下のものが 3号 |
たとえば木造2階建ての住宅は、改正前は4号でしたが、改正後は2号です。 2号になると、都市計画区域の外でも確認が必要になり、大規模の修繕・模様替も確認の対象になります。 また、建築士が設計した建築物について審査の一部を省略する特例(6条の4)は、3号の建築物が対象です。
審査と工事の流れ
| 段階 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 確認不要の小規模工事 | 防火地域・準防火地域の外で、増築・改築・移転の部分の床面積が 10m²以内 | 法6条2項 |
| 確認の審査期間 | 1号・2号は受理から 35日以内、3号は 7日以内 | 法6条4項 |
| 着工の制限 | 確認済証の交付を受けた後でなければ工事できない | 法6条8項 |
| 工事現場の表示 | 施工者は、建築主・設計者・工事施工者・現場管理者の氏名と確認があった旨を表示し、設計図書を現場に備える | 法89条 |
| 中間検査 | 特定工程(階数3以上の共同住宅の床・はりの配筋など)の工事を終えた日から 4日以内に申請 | 法7条の3 |
| 完了検査 | 工事が完了した日から 4日以内に建築主事等に到達するよう申請。受理から 7日以内に検査 | 法7条 |
| 検査済証前の使用 | 1号・2号の新築は、原則として検査済証の交付を受けた後でなければ使用できない。特定行政庁が認めたとき、完了検査の申請受理から7日を経過したときなどは仮に使用できる | 法7条の6 |
申請するのは建築主です。施工者(建設業者)ではない点が、よくひっかけに使われます。
関連する手続
- 用途変更して、200m²を超える特殊建築物にするときは、確認の規定が準用される(法87条)。工事完了後は検査の申請ではなく届出
- 建築物を建築・除却するときは、床面積の合計が 10m²を超えるなら都道府県知事への届出が必要(法15条)
建設業法の技術者制度
現場の技術者と営業所の技術者
| 置く場所 | 名称 | 根拠 |
|---|---|---|
| 工事現場 | 主任技術者(すべての建設業者) | 法26条1項 |
| 工事現場 | 監理技術者(発注者から直接請け負った特定建設業者で、下請代金の総額が一定額以上) | 法26条2項 |
| 営業所(一般建設業) | 営業所技術者 | 法7条2号 |
| 営業所(特定建設業) | 特定営業所技術者 | 法15条2号 |
営業所の技術者は、以前は「専任技術者」と呼ばれていましたが、2024年12月の改正で現在の名称になりました。 主任技術者・監理技術者の職務は、施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理、施工に従事する者の技術上の指導監督です(法26条の4)。
金額要件(2025年2月1日施行の改正後)
| 要件 | 建築一式工事以外 | 建築一式工事(建築工事業) | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 監理技術者が必要な下請代金の総額 | 5,000万円以上 | 8,000万円以上 | 法26条2項・施行令2条 |
| 技術者の専任が必要な工事(1件の請負代金) | 4,500万円以上 | 9,000万円以上 | 法26条3項・施行令27条 |
| 施工体制台帳が必要な下請代金の総額(民間工事) | 5,000万円以上 | 8,000万円以上 | 法24条の8・施行令7条の4 |
専任が必要なのは、国・地方公共団体の工事のほか、学校・病院・事務所・共同住宅・工場など幅広い施設の工事です(施行令27条)。 つまり建築工事では、上の金額以上ならほとんどの場合に専任が必要になります。
専任の監理技術者は、監理技術者資格者証の交付を受け、登録講習を受講した者から選び、発注者から請求があれば資格者証を提示します(法26条5項・6項)。
専任の例外(兼任できる場合)
| 例外 | 主な要件 | 兼ねられる現場の数 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 兼任の特例 | 請負代金が 1億円未満(建築一式工事は 2億円未満)、移動時間などの要件、情報通信技術で現場を確認する措置 | 2 | 法26条3項1号・施行令28条・30条 |
| 監理技術者補佐 | 監理技術者の職務を補佐する者を各現場に専任で置く | 2 | 法26条3項2号・施行令29条・30条 |
| 営業所技術者等の兼務 | その営業所で契約した工事で、請負代金が 1億円未満(建築一式工事は 2億円未満)など | 1 | 法26条の5・施行令33条・34条 |
特定専門工事
型枠工事と鉄筋工事では、下請代金が 4,500万円未満なら、元請の主任技術者が下請の主任技術者の職務もあわせて行えます(法26条の3・施行令31条)。 元請と下請の書面による合意、注文者の書面による承諾が必要で、元請の主任技術者は1年以上の指導監督的な実務経験があり、現場に専任であることが条件です。この下請負人は再下請が禁止されます。
施工体制台帳・施工体系図
- 施工体制台帳は工事現場ごとに備え置き、施工体系図は現場の見やすい場所に掲げる(法24条の8)
- 公共工事では、下請契約を結べば金額にかかわらず作成が必要。施工体系図は工事関係者と公衆の両方が見やすい場所に掲げる(入札契約適正化法15条)
許可と技術検定
- 請負代金 500万円未満(建築一式工事は 1,500万円未満、または延べ面積 150m²未満の木造住宅)の軽微な工事だけなら許可は不要(法3条1項・施行令1条の2)
- 許可は 5年ごとに更新(法3条3項)
- 技術検定は第一次検定と第二次検定に分かれ、第一次検定の合格者は技士補、第二次検定の合格者は技士を称することができる(法27条・施行令40条)
覚え方のコツ
- 確認申請の区分は「1号=特殊建築物200m²超、2号=2階以上か200m²超、3号=残り(平屋200m²以下)」。木造かどうかは関係ない
- 期間は「審査35日(3号は7日)、検査の申請は4日以内、完了検査は7日以内」
- 申請者は「建築主」、現場の表示と設計図書の備え置きは「施工者」
- 建設業法の金額は「監理5,000万(建築8,000万)、専任4,500万(建築9,000万)」
- 兼任は「1億(建築2億)未満で2現場、営業所技術者の兼務は1現場」
- 公共工事の施工体制台帳は「下請を出したら必ず」
改正前の数字(木造500m²の区分、専任の4,000万円・8,000万円など)が残った古い教材に注意してください。 迷ったら、この記事の表のように条文の番号とセットで確かめる習慣をつけておきましょう。